PRTR
 現在の化学物質による汚染状況を知ること、そして将来的に毒性が判明した化学物質がどの場所でどれだけ発生していたのかという事を、国をはじめとして一般市民までが知る事が出来るように公示する制度の事をPRTR(環境汚染物質排出、移動登録)と呼びます。

 手順としては、まず行政(行政外で行なう場合は、他の団体)が、登録させる化学物質を決めます。この中にはまだ法的規制が行なわれていない物質も含まれ、将来的な危険に備えるためのデータになります。
 そして、次に対象となる事業者を決めます。ここでは、どの産業にするのかという事や、規模なども含めて判断される事になりますが、当然ながら化学物質を取り扱うある程度以上の規模のある事業者がこの対照となります。
 そして対象とされた事業者は、工場外の環境へ排出された化学物質と、廃棄目的などで移動した化学物質のうち、報告義務のある化学物質の量をその数値を管理する部門へ報告します。そして、その情報を受け取った部門は、その情報を整理し、一般に閲覧できるようにするというものです。

 この制度の目的は前述の、現在そして将来の問題解決の為のデータという事は勿論、一般に公示される事によって、その企業の信頼度を明らかにし、信頼度の低い企業の産業活動を不利にする事によって、企業の自発的な取り組みを刺激するというものがあります。
 一方で問題として、その情報を読む側が正しい知識が無ければ、過剰に企業の活動を不利に追いやってしまったりする事も考えられる。また、どの化学物質に対して報告義務を課すかのかという事も慎重に考えられなければなりません。

 このPRTRの制度は幾つかの国で既に採用されており、さきがけとなったアメリカのTRI、EUのIPPCなど、PRTRそのままの名称ではないにしろ、それぞれの基準を持って運用されており、一定の結果を上げています。
 日本では1999年に「特定化学物質排出量の把握・管理促進法」の名称でPRTR法が作られましたが、情報が有料であったりなど、問題を抱えています。
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