北極、南極の汚染

 「公害は国内の問題であるが、環境問題はボーダレスである」というのは公害と環境問題との違いを最も簡潔に説明した言葉として広く知られている言葉です。
 実は環境ホルモンの被害というのもボーダレスです。
 一般のイメージからすると、その国の中だけで…若しくは、一部地域、一つの家の中だけ…といった限定された場所のみでで被害が回っているように思われがちですが、実際にはそうでもありません。
 本来であれば環境ホルモンとは関連のない生活を営んでいるはずの北極やその周辺に住む民族、そして南極の生き物が地球内でも最も高濃度の汚染を受けている内の一つだと言う事は世界中に衝撃を与えました。
 では、どうしてこのような事になってしまったのでしょうか。

 環境ホルモンとされる物質の中で容易く揮発してしまう物質というものがあります。揮発してしまった物質は大気中に溶け込み、世界各地を汚染します。このポイントから環境ホルモンの問題もまたボーダレスであるといえるでしょう。
 なので、例えば環境ホルモンの原因物質をある国が使用禁止にしたとしても、隣国や周囲の国が使っていれば、問題解決としてはまだまだ程遠いという段階に過ぎません。こうした問題を解決するためには南北の問題等を超えた立場で手を取り合い、先進国は後進国よりも先にやめる事や、後進国がそうした物質を使う事を控える代替となる物質や技術の提供をする事などグローバルな対策が必要となります。

 さて、話を戻して北極や南極の被害に話を戻しましょう。
 揮発した環境ホルモンは暖かい空気に乗って舞い上がっていきます。そして世界中を浮遊し続けた挙句に、北極や南極の冷たい空気に引き寄せられていき、やがてその地へ降り注ぎます。そうする事により、自発的には環境ホルモンを発していないはずの地は、世界中の汚染を一身に受け、そこに住む生物や、それを食べて生活を営んでいる人々を汚染してしまうのです。
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