買い物の事情-有名人-

 現在でも著名人の中にサイドビジネスをしている人は少なくありません。
 江戸時代、町民は基本的に堅気の職業に就いている必要がありました。一般庶民はそれで構わないのですが、ここで困るのが「堅気の職業」ではない方です。
 現在で言う芸能人的な職業というのは堅気の職業とは判断されなかったので、何か片手間に堅気の仕事をしていなければならない。そこで、何かと店を出していました。その有名人とは全く関係の無い商品から、少し関連付けたような商品まで、様々にありました。

 ところで、有名人とお店の関係というのはそれだけではありません。有名人の中には宣伝もかねている人もいました。引き札と呼ばれるチラシなどに書く文句を考案するコピーライターの中には作家として有名な人や、かの平賀源内なども含まれて居ます。
 特に平賀源内は「土用の丑の日」というコピーを製作したことでも有名で、彼が考案したこのコピーによって現在の私達も土用の丑の日に鰻を食べる習慣が出来てしまいました。

 またコピー製作、商品販売、芸能活動…といった三つも掛け持ちした有名人には戯作者として有名な山東京伝がいます。チラシを自分の著作にも織り交ぜ、そして商品を売る。一人でフル回転していたようです。歴史の教科書の中では文化人の一人として名を連ねる方ですが、なかなか侮れない一面があるんですね。

 その他に引き札以外の宣伝方法として、歌舞伎で役者が宣伝をするというものもあったようです。現在でも有名人デザインの商品や、広告やCMへの起用などは商売の常套手段ですが、こと商業に関しては意外と時代ごとの感覚の違いは希薄なようです。

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