宿
時代劇といえば水戸黄門が良く知られている為か、そのイメージで考えてしまいがちなのが「宿」です。きっと江戸にも沢山の旅館があり、旅人達を迎えてくれていたのだろう…と、思いきや江戸には思ったほど宿はありません。 しかし建前は「政治都市」であるがゆえに、江戸には観光客などを受け入れる機能が余り発達していません。では、よそから来た人々はどうしていたのかというと…「公事宿」と呼ばれる宿があったのです。これはその名の通り、「公事」…つまり政治的な用事があって江戸に来た人が宿泊する為の宿でした。 この旅籠にも幾つか種類があります。 まず、本陣。これは大名が泊まる施設です。もしもこの本陣に大名が泊まろうとした際に違う藩の大名と重なってしまった場合は、身分の低い方が『脇本陣』と呼ばれる所で宿泊するようになっていました。 次に庶民の宿泊としては『平旅籠』というのが普通の旅籠です。今で言う旅館のようなもので、泊まってご飯を食べて、また出掛けて行く…それが平旅籠です。もう一つあるのが『飯盛り旅籠』というもので、これは売春の機能を併せ持つ旅籠の事です。 また、この旅籠へ泊まる余裕の無い人には『木賃』と呼ばれる宿泊施設もあり、これは食事などが無く、ただ泊まっていくだけという施設のことでした。時代が時代だけに夜の治安が良くないので、とりあえず野宿だけは避ける為の宿です。 |