職業の事情-江戸三男-

 江戸の三男と呼ばれる職業がありますが、これは『三男』という仕事があるわけではありません。
 これは江戸時代の人気職業の代表的なもので、力士・与力・火消しの頭を指す言葉です。

 力士は江戸時代に入ってプロの職業として成立しましたが、当時は年に20回しか試合が無く、それで立派にお金を稼ぐ力士は人気を集めていたようです。
 もちろん、当時としては数少ない娯楽としての格闘技の一つであり、また女性はまだ試合を観戦することが許されていなかった事もあってか、女性人気も高 かったようです。
 次の与力は禄高二百石で町奉行に仕える、いうなれば下級武士ですが、彼らは一般庶民と同じように町の中に家を構え、言葉や服装も一般の町民と変わらない 様子だったので、町民との信頼関係も厚かったようです。
 身分から言うと江戸城に入り将軍と謁見する事も出来るのですが、実際には仕事が罪人相手であるなどの理由から『不浄役人』と呼ばれ、江戸登城もできませ んでした。
 部下に同心を抱えていますが、役得で得られる副収入も多く、生活も裕福だったようです。
 最後の火消しの頭は、火事が多い都市柄もあって、その火事に向かっていく火消し自体も人気の職業でしたが、そうした火消しの集団をを束ねる火消しの頭は 人々の信頼も厚く、発言力もあったようです。

 こうした三男が当時のもてる職業でした。
 現在で言えばスポーツ選手と公務員の方々でしょうか。

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