買い物の事情-大店-

 江戸時代も現在と同じく屋台形式だった辻売りや、振り売り(別項参照)、そして気楽に利用できる居酒屋に古着屋などがあり、それと同時に高級品を取り扱うお店というものもありました。

 表通り沿いに店を並べている、大店と呼ばれる高級な商店の中には、現在でも「老舗」として知られているお店などの名前が見かけられたり、その前身…起源となる店が見られたりします。
 江戸時代は1603年〜1867年まで続いているので、簡単に考えると150年以上も東京で店を構えているお店は、江戸時代には既に存在している筈なので、江戸の地図を見る事があれば、楽しみながら探してみるのも良いかもしれません。

 こういう店は取り扱う商品が高価な為に、庶民が利用する機会というのは、殆どなかったと言われます。
 商売の基本が複数回での支払いだったので、お客様は支払いの信用度まできちんと選別される事になります。だから、庶民が「思い切って…!」等と思って入っていっても、お店の方が思い切ってくれなければ購入する事も難しかったのです。
 という事で、庶民は服は古着屋で購入し、日用品は振り売りなどから購入しています。庶民感情から言えば、わざわざ出向いてまで高級品を買いたいとは思わなかったのかもしれないですね。

 そこに革命児として熱心に職人などの庶民層を取り込んだ商売をしようとしたのが三井高利の「越後屋」という呉服店です。この名前でピンと来る人もいるかもしれませんがこれが現在でもデパートの老舗として知られる「三越」の始まりです。
 当時の越後屋は現在のスタイルに最も近い形での仕入れや製造などの分業を進め、現金掛け値なしを打ち出したり、生地の切り売りなどもしていました。
 セールも行なって、徹底的に庶民を取り込もうとしていていたのだから、商売上手ですね。

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