江戸の食事-幕の内弁当-

 現在でも弁当の代表的な形態として売られている「幕の内弁当」。
 しかし、この起源が芝居見物にあるという事は余り知られていません。

 「幕の内」という名称に注目してみると判りやすいのですが、芝居と芝居の間に幕が下りている時間があります。当時の芝居見物は一日がかりだったので、その間に食事を取る必要がありました。その時にお金持ちの人は「芝居茶屋」という芝居鑑賞に関する一切を請け負う店へ戻って食べます。
 芝居茶屋を利用していない客や、小規模な芝居茶屋を利用している客の為に、芝居茶屋で食べていたような物を携帯可能な笹折に詰めた弁当という形にして販売され始めたのが、「幕の内弁当」でした。
 会席料理の店である「万久」という店がこの名称の産みの親だと言われています。

 これが次第に芝居を見た後の夕飯に持ち帰られるようになり、やがて現在のように弁当の一種として広く一般に食べられるようになっていき、名前だけが「幕の内」として、当時の面影を残すにまで至ったということです。
 当時の販売価格は100文程度で、現在の価格で言えば1000〜2000円くらいの、ちょっと豪華なお弁当という感じでした。

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