身分

 一般に江戸時代の身分制度には暗いイメージがあるようです。
 それは『士農工商』という身分分けが徹底されていたと習うからでしょう。
 武士は「切捨て御免」と威張り散らし、農民は「胡麻油と農民は絞れば絞るだけ…」と言われるように搾取されていたと思われているようです。

 しかし実際は後期に行くほど形だけになっていった身分制度だと言えそうです。
 それほど厳密に身分制度が確立されていたわけではなく、士農工商とは言えど、その中で身分制度に縛られていたのは武士だけだと言っても過言では無いようです。

 また江戸時代の中期以降となると、一般庶民の生活水準の上昇の一方で武士の生活は貧困の一方を辿り、多くの下級武士はますます『切捨て御免』のイメージからは遠ざかっていきました。自らの生活を守る為に内職をする必要に迫られた武士もいるほどで、武士と言う肩書きだけで威張れるような雰囲気ではなかったようです
 また別項でも触れていますが、幾ら武士とは言えど下の身分の者を大義名分無しに斬れば罪に問われてしまいます。なので「切捨て御免」については現在の警察よりも少し基準が緩やかな大権発動であったと言えます。

 また男女差別については、政治などの主要な部分の表舞台へ女性の進出がなされていなかったことについては、確かに「男尊女卑」の傾向があった事は間違いありません。
 しかし江戸時代では多くの女性がしっかり働いています。
 一般庶民にとって働く女性は全く珍しくありませんでした。

 江戸時代として思い浮かべられるような「男女差別」は、明治の時代になってから女性の社会進出が抑制されるようになったもので、決して江戸時代〜明治時代へと伝統的に行なわれてきたものではなかったようです。
 こういった事は江戸に関する様々な資料を見ていれば節々に伺えますが、歴史の授業では流れで理解できるように明治で急に男女差別が強くなったという記述を避けたのかも知れません。

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