火のある生活

火のある生活
 

 江戸の華は喧嘩と火事と言われています。
 喧嘩はともかく、火は江戸時代の頃には庶民生活に浸透したものになっていたようです。
 時代劇で江戸の庶民生活を見ると、職人さんなどが朝に家を出るときに、その家の奥さんが石をカチカチとぶつけて火花を出して見送っているという姿を目にする事があります。
 あの時に使用している石が江戸の庶民が火を作るのに使っていた道具で、火打石と呼ばれる道具です。

 火打石は火打金とセットで用いられ、双方をぶつけ合う事によって出てきた火花を火口と呼ばれる火のつきやすい繊維(綿・ツバナ・がまの穂を蒸し焼きにした物等)に落とす事で、火種を作ります。
 そこへ硫黄をつけた木片を当てて、火を作ります。
 こうした機具の充実により、江戸時代において、火を作る事は容易な事となっていたようで、それだけに火事も多かったのでしょう。

 ところで職人などが家を出るときに火打石で火花を作って見送るのは、火が家を守る神で、魔よけの効能があるとされることから、危険な仕事をする職人を中心に、無事に戻ってこられるようにとの祈りを込めた事だったようです。
 

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