現在でも家の事を表現する言葉は幾つかあります。欧米諸国が日本の家を称した「ウサギ小屋」もそうですし、「三畳一間」とか「ワンルーム」、それに憧れの「3LDK」等もそうです。江戸時代の庶民の住居の表現にもそういう典型的なものを称したものがあります。
長屋というのは主に裕福な人の住む「表店」と、それよりも生活レベルの下がる「裏店」の二つに分けられるのですが、九尺二間という言葉は裏長屋でも、小さい部屋の事を指す言葉で、アバウトに計算していくと、九尺は間口の広さで三メートル未満のサイズです。そして二間が奥行きのことでこちらは三メートルとちょっと位のサイズになります。
大体、合計すると三坪くらいの大きさということになります。
ところで江戸の庶民の家というと畳のイメージがあるのでしょうか?他の生活を見ていると結構余裕のある生活をしているイメージもわきますが、全体的には板の床の上に筵を敷いておくというケースのほうが多かったようです。
その室内に必要最低限の物を入れていきます。まず木製の流し台があります。本格的な事は井戸端で行なうので、それほど大掛かりなものではなかったようです。それから水道が各家に来ているわけではないので、水を貯めておくカメのような物もあります。
更に生活していくうえでは行灯も欠かせません…、そういう感じでとりあえず必要最低限のものが入っていった残りのスペースが居間兼食堂兼寝室という事になりました。これはなかなか大変そうな気がします。
こういった具合に、色々な身分の人に色々な生活があったわけです。 |