庶民がどの程度の水準で生活を営んでいたのかというと、江戸時代は250年以上続いていたので時代ごとに違うのは当然ですが、それほど低い水準ではなかったようです。大体庶民であれば現在の貨幣価値で年収200万円は稼ぐ事が出来たようです。
江戸時代の代表的な職業である大工の人の給与については多くの記録が残っているのですが、ある程度の腕がある職人さんであれば250万円くらいは稼げていたようなので、意外と良い額のようです。
年収の中における食費の事をエンゲル係数と呼び、生活レベルを推定できるのですが、その点から見ても江戸の生活レベルというのは中流と言えるレベルなので、それほど庶民生活を暗く語る必要は無さそうです。
こうしたお金で江戸の人々はご飯も食べますし、ファッションも楽しみましたし、見立て番付や貸本等のような娯楽も楽しんでいたのです。まぁ江戸の人の気質なのか、それともそういう習慣自体が全く芽生えていなかったのか、庶民の場合は大体それを使い切るくらいのペースで使っていたそうですす。そこにはお金を預けておく施設が無かった事や、火事が多いので蓄財しておいてもいつ焼失してしまうのかが判らないという危機感もあったようです。
先に紹介した腕の良い大工の例でも、一年間に余剰としたのは現在の貨幣価値で十万円程度だそうです。ところで、地方から来た人の中には、江戸で財産を蓄えて故郷に戻る事を目標にしていた人もいました。そういう人のことは野暮だと言っていたようで、やはり財産に対する考え方は江戸の気質だったのかもしれません。 |