習い事

 現在人も色々と習い事へ通っているようですが、江戸時代の人々も様々な習い事へ手を出していました。特に女性は小さい頃から複数の習い事をする事も少なくなく、様々な技能を身につけることでいい奉公先、そして最終的にはいい縁談を…という流れになっていたようです。
 大人も習い事はいろいろとこなしており、こちらは趣味の為でした。

 ところで江戸時代の習い事には時代を大きく反映している特徴があります。
 江戸時代は平和で安定した期間が長かった為に、武芸なども趣味の一つとして習われるようになりました。それまでの時代であれば、武芸は実戦で使う目的で学ばれていたのですが、平和の真っ只中におり、生まれてから戦乱を知らない人々だからこそ、武芸を実戦以外の趣味として習う選択肢が出来たわけですね。
 また、漁業ではなく趣味として釣りが好まれるようになったのも江戸時代くらいだといわれています。上の身分から広がり、最終的には老若男女を問わず楽しまれるようになりました。
 上記のように、江戸時代はそれ以前の時代では決して趣味にしていなかったものが趣味になっていくという時期でもありました。ちょうど、運転免許証を持っている人がサイクリングを趣味で始めるような感覚だったのかもしれません。

 ところで江戸時代に習い事として楽しまれたものの中に、和算があります。
 現在で言うところの算数、数学です。現在人が見ても非常に難解な問題を作って、解答を出すという事を趣味にしていたようです。難しい問題を解いた人はその回答を添えて神社などに奉納して、自慢する場もあったそうで、現在でも奉納された「算額(問題と答えを額に入れたもの)」が現存しています。
 そういう場を目指してか、それとも難解な数学の問題を解くことへ楽しみを感じてか、お師匠さんについて様々に勉強をしていたようです。現在で数学が得意な方は居ても、趣味が数学という一般人はなかなかお目にかかれないような気がします。

 何世紀か後には私達が生業として行なっていることが、未来の人々の趣味になっているのかもしれません。

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